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杉森健一
イランの良さを伝える杉森
25歳の時に出た世界の旅の途中にてイランを訪れ、ハマる。その後はイラン渡航を繰り返し、現在は雑貨店運営・旅行業・フェス事業・執筆業など幅広くイラン関係の事業に携わりつつ、SNSやマスメディアなどでイラン情報を発信中。
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イランとはどんな国?イラン大好きが語る、イランのいいとこと気になるところ。

こんにちわ!PERSIAN TAGの杉森です。

PERSIAN TAGはペルシアの国のアートをコンセプトにしたショップ。

ペルシアとは、現在のイランのこと。

しかし、恐らく多くの方々にとってイランとは、あまり身近に感じる国ではないと思います。

そこで、まずは「イランとはどんな国?」という部分をお伝えできればと思います。

是非、PERSIAN TAGを通じてこれからの人生の中で「イラン」という国を身近に感じていただけますと、いちイラン好きとして嬉しい限りです。

目次

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PERSIAN TAG LIBRARYの管理人である杉森健一による、イランのカルチャー&旅行ガイドが絶賛発売中!

イラン全土を自らの足で駆け巡り、蓄積した写真・知識・経験を書籍化しました。イランの歴史や芸術・食文化、旅行情報や最新の観光スポットまで、幅広い情報をぎっしりと詰め込んだ一冊となっています!

是非、この機会に書籍でもイランの素敵な世界をお楽しみください^^

イランとはどんな国?

イランは、いわゆる中東に位置する国のひとつ。

遡るは4000年前。ペルシア帝国として世界で持っとも栄えた国の一つでした。

その後、7世紀頃のイスラーム化を経て、近隣のアラブやトルコ・モンゴルなどの特色を吸収しながら独自のペルシア文化を築きあげてきた国です。

「イラン」と「ペルシア」

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ペルシア語の地下鉄の看板

当店は「ペルシアンタグ」というイランのアートのコンセプトショップ。

イランで一番有名な工芸品といえば、「ペルシア絨毯」。

イランで多く話される言語は「ペルシア語」。

さて「イラン」と「ペルシア」は同じ意味なのでしょうか?

結論から言えば、現在はほぼ同じ意味で使われている言葉です。

今のイランも元々は「ペルシア」という国名でした。 「ペルシア」とは元々古代ギリシア語由来の言葉で、現在のイランの中南部・ファールス地方を指す言葉。 しかし1920年頃からイランで「元来続く伝統をもっと大切にしたい」という風潮が強まり、古代ペルシア語で「アーリア人」を意味する「イラン」という国名に1935年頃に国際的に変更されました。

アーリア人:紀元前1200年頃から中央アジア方面から現在のイランへ来た民族で、ペルシア文化を作った祖先だとされている。

「ペルシア」と「アラブ」

「中東」と聞くと「石油・砂漠・イスラーム」の様なイメージが強いですよね。イランももれなく、石油も砂漠もあれば、イスラームを信仰する方が多い国です。

しかし、他の多くの中東の国とは大きく異なる点として、イランは「ペルシア」の国だという点。中東ではいわゆる「アラブ」の国が多いです。

イランには歴史的にもアラブ生まれの「イスラーム」が強く根付いた国ということで現在では共通する文化も多くありますが、アラブとペルシアは元々は民族も違えば言語も違う地域です。

なので、イランには他の中東の国にはない文化的・風習的特徴を多く持つ国でもあります。

「スンニ」と「シーア」

宗教的な特徴としても、他のイスラームの多くの国は「スンニ派」という宗派に属しますが、イランは歴史的にもシーア派が信仰されている国。

宗派が違うのでどうだ、という話ではありませんが、世界中でシーア派イスラームを信仰する方々にとっては、イランは聖地とされる場所も複数ある特別な国。シーア派イスラームを学ぶ学者さんたちの学びの場としてもイランは重要な国です。

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聖地のひとつ、マシュハドのイマームレザー廟

とは言えども、イランには宗教に興味・関心が低い人も多い(むしろ政府によって宗教ルールを強制させれているので、嫌ってる人も少なくない)ので、イスラームが現在のイランの文化に非常に大きな影響を与えたとはいえ「イランはイスラームの国」と言い切るのは少し違和感があるとも感じます。

隣国イラクも歴史的にシーア派が根付いている国で、ナジャフやカルバラなど重要な地がいくつかあります。 また、サウジアラビアはスンニ派で宗派は違いますが、イスラーム自体の発祥の地なので、宗派は違えどシーア派のムスリムも多数巡礼に訪れます。

イランのいいところ

そんなイランですが、まずはイラン大好きな私、杉森が「イランのいいとこ」をご紹介したいと思います。

世界有数の高度な芸術文化

あまり知られていませんが、実はイランは芸術大国。古代ペルシアの時代、さらに言えば5000年以上前のエラムやジーロフトが栄えた時代から独自の芸術文化を築き上げてきました。

また、その伝統的な芸術文化が現代にも生き続けているのもイランの特徴。

街を歩けば、モスクなどの色鮮やかなタイルアート、

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シーラーズのナシーロルモルクモスクのタイルアート

息を呑むほどに壮大なペルシア建築、

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カーシャーンのボルジェルディハウス

バザールを歩けば、細密で美しいペルシア絨毯や、

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職人技が光るイラン版七宝焼・ミーナカリー、

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などなど、日常の中で美しい芸術が共存する素敵な国なのです。

4000年以上の高貴な歴史

イランを語る上で欠かせないのが、後の世界にも大きな影響を与えた、その長く濃密な歴史。

紀元前550年に誕生したアケメネス朝ペルシア(ペルシア帝国)は、イランの原点。 歴史上で初めて古代オリエントを統一した国、ということでも知られています。

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赤線内がダレイオス一世時代の領土

3代目の王・ダレイオス一世の時代には、東は中央アジア、西はエジプトやギリシアの一部まで領土を広げ、一大国としてその名を世界に轟かせました。

観光地としても世界的に有名なペルセポリスは、ダレイオス一世の時代に築き上げられた都です。

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今も現存するペルセポリスの全体像

また、時は流れ16世紀サファヴィー朝の時代には、シルクロードの中心地としてイラン中部の街・イスファハーンを中心に栄え、当時の繁栄を現した「イスファハーンは世界の半分」という言葉は今や教科書に載るほど。

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サファヴィー朝の中心地として栄えたイマームスクエア

イランが古代から築き上げてきた政治制度や文化は、近隣諸国はじめ数多くの国に影響を与えてきたと言われています。

多数の民族が織りなす文化

イランは民族的にも多様な国で、ペルシア民族はじめ、アゼリーやトルクメン、バルーチやアラブなどといった多くの民族が共存する多民族国。

イランの民族マップ / 筆者作成

その為、地方によって異なる文化や風習が存在し、とてもじゃないがたった数回の旅行だけでは楽しめない程の多種多様な魅力が詰まった国なのです。

豊かで多彩な自然

イランは中東に位置するので「砂漠の国」というイメージが強いかもしれませんが、日本の4倍以上の広大な国土を持つイランは、地域ごとにその気候や自然も様々。

例えば、北部の方では冬にはスキーを楽しむことができれば、 カスピ海沿岸部は緑が豊かで、日本の様な美しい田園風景が広がっています。

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イランで田植えをする女性

中部から東部にかけては砂漠地帯もあり、 南部ではダイビングが楽しめるリゾートだってあります。

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イラン東部のルート砂漠

多くの地域で日本の様に四季を楽しむことができ、その地域毎に最も美しい季節が存在するので、どの季節に旅行に行くとしても、美しい景色がそこにはある。それがイランの特徴の一つです。

世界に轟く「イラン人のホスピタリティ」

イラン旅行の経験がある人に「イランってどんなとこ?」と質問すると、恐らく多くの方が「人がとっても親切な国」と答えるのではないでしょうか。

実はイランは歴史的に、自他ともに認める程にホスピタリティが溢れる国。

例えば旅行時に、不安そうな顔で街中を彷徨ってると、間違いなく誰かが助けに来てくれます。 イラン人のお家に招かれた時は、フルーツやお菓子、お料理など、信じられないほどのおもてなしを頂くことも多いです。それは時にはもてなされすぎて気まずくなってしまうほど….

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イランのおもてなしは、まずはチャイ(紅茶)から

おもてなし大国・日本と比較すると、お店などのサービスは日本の方が優れてはいますが、一般の方々の中での「おもてなし精神」は、正直日本とも比べ物にならないほど。

イランへ旅行に行くと、間違いなく実際に体験できると思いますので、是非人生に一度はイランへ!

目・鼻・口で楽しむペルシア料理

イランは料理でも独自の文化を楽しめる国。

豊かな自然の中で育てられたお肉(ラムやチキン)やハーブ類などの野菜やスパイスをふんだんに使用しているのが特徴のイラン料理(ペルシア料理)は、意外にクセが少なく、日本人の口にも合いやすいのが特徴。

また、色鮮やかな料理が多く、見ているだけでも美しい料理も多く、多種多様なハーブやスパイスが織りなす素敵な香りはまさにイラン料理ならでは。

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そんなイラン料理ですが、実は日本にも東京を中心に多くのレストランがあります。是非一度、皆様もご賞味ください。

イランは危ない国なのか?

このように、イラン大好き人間から見るとイランは素敵な魅力がたくさん詰まった国。 だがしかし「イランってなんか危ない国なんじゃないの…??」と思われる方も少なくはないと思います。

ではなぜ「イランは危ない国」というイメージがあるのでしょうか。 その理由となりうる事柄を見ていきましょう。

テロや内紛が多い国?

イランが属する中東地域は、世界的に見てもテロや紛争のような事柄が多いのも事実。 例えば、2010年から2022年5月までのテロ事件を集計した票を見てみると、 1位のパキスタン・2位のイラク・3位のアフガニスタンは全てイランに隣接する国。

筆者作成

しかし、イランはというとオーストラリアなどと同数の27位。 この数値を見ると単に「イランはテロが多い国」とは言いきれないのではないでしょうか。

また、紛争に関してですが、1988年にイラン・イラク戦争が停戦してから30年以上、イラン国内で大きな紛争は起こっていません。

核兵器を作っている国?

国際ニュースでたまに観る「イランの核開発」のニュース。

イランは国際的に「軍事目的の為に核開発をしてる」という疑いが掛けられています。イランが核開発をすることは世界の多くの国が加盟する「核不拡散条約」に違反することなので、それが原因で長年大規模な経済制裁を課せられています。

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イランの核開発施設と思われる場所の衛星写真

これに関しては「世界のルールに反して自らの利益の為に核開発を進めてる」とう疑いを掛けられてるイランの政府は確かに恐ろしいかもしれませんが、恐ろしいのは「政府」であり、決して「イランという国が危ない」とは言い切れないのではないのでしょうか。

女性が抑圧されている国?

2022年9月、イランでマフサ・アミニさんが「スカーフの被り方」で道徳警察に逮捕された後に死亡する事件があり、それがきっかけとなりイラン全土で「女性の権利」を求める政府に対する大規模抗議デモが起こりました。

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全世界に広がる反イラン政府抗議活動(ベルリン)

イランは女性の自由がない国なのでしょうか?

答えとしては、日本含め世界の多くの国と比較し、女性の自由はかなり制限されていると言えます。

例えば、女性は公共の場でいる時は必ずスカーフを着用しないといけない、バイクの免許が取れないなど、法的にも明確な格差が存在します。

この原因としては「イスラームの教義のもとに、政治が行われているから」です。

1979年のイラン革命で起こったイスラーム体制の元、法律などもイスラームのルールの元に作られてるので、現代的な「男女平等」よりも伝統的な「イスラームの教義」の元、男女の区別も他国と比較して多いです。

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現体制の国旗。中央には「アッラー」、白文字は「神は偉大なり」との表記

イランは歴史的にもイスラームが非常に強く根付いた地域ですが、人の心は縛れませんのでもちろん「宗教に興味がない人」だってたくさんいます。 その人たちからすると、望んでもいない「世界的にも特殊な法律」で自由が制限されるのは不可解ですよね。

悲しいですが、イランにはこのように「政府」と「(一部、だけども決して少なくはない数の)国民」の間に大きな社会的な問題があるのは事実です。

旅行は普通に行ける国?

これまでに挙げたように、イランは政府(体制)が特殊な故、それが原因で発生する社会的な問題があることは事実です。 ただ、それが原因で「危険な国」とは言い切れないと思います。

例えば、治安的なことで考えてみると、日本の外務省が発表してる渡航情報では、基本的にイランは危険度1【十分注意】です。(イラクやパキスタン、アフガニスタンの国境付近は除く)

出典:外務省の渡航情報

周辺国と比較しても比較しても、イランが突出して「危険な国」とも言えないのはないでしょうか。

事実、イランは旅行であれば普通に安全に楽しむことができる国。 イランに興味のある方は、是非イラン旅行も検討されてはいかがでしょうか?

イランは「百聞は一見にしかず」

以上がイランのいいところと気になるところでした。

私はこれまでにイランは何度も渡航していますが、一番最初に訪れたのは世界の旅の途中で、でした。

当時私はイランのことはほぼ何も知らず、ただ「イランってあまりいいイメージもないし、行ったら話のネタになるかな〜」くらいの気持ちで行ってみました。 するとそこには…..想像以上になんとも素敵な世界が広がって驚き、それ以来イランの虜です。

この記事の最後にこれを書くのは本末転倒ではありますが、イランは、実際に訪れ、その目・その肌でイランを感じることでこそわかる魅力がたくさんある国だと思っています。まさに百聞は一見にしかず、ですね。

PERSIAN TAGを通じてイランを知り、好きになり、実際に訪れるきっかけとなる様でしたら、私としましては嬉しい限りです。

今後とも、イランの情報を随時発信してまいりますので、PERSIAN TAGをご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

\ 最高のイラン旅、つくります!/

イラン旅行_人生で最高のイラン旅

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イラン全土での数百泊にものぼる自身の旅行経験を活かし、イラン旅行に特化した旅行会社・ソフィア株式会社とタッグを組み、皆さまの理想のイラン旅をオーダーメイドで作成・手配致します!

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