イラン旅行の通信は、基本的に現地でSIMカードを購入するのがいちばん確実です。この記事では、購入場所の選び方、必要なもの、容量の目安、つながらない時の対処まで、迷わない順にまとめます。
イランでのネットは「現地SIM」一択
海外旅行でのネット利用方法は、レンタルモバイルWi-Fiや海外対応のSIMカードの事前購入など複数の選択肢がありますが、イランの場合、
- そもそもイラン未対応のサービスがほとんど
- 対応しててもコスパが悪すぎる
以上の理由から「イランでSIMカードを買う」のが最善で最も簡単です。
SIMなしのフリーWi-Fiだけでも十分?
イラン旅行をフリーWi-Fiのみで乗り切るのは結構大変です。
ホテルなどはWi-Fi(遅い)が飛んでいますが、街中ではほとんどないです。また、都市内の移動はSnapp!(エスナップ)というタクシー配車アプリが非常に便利なのですが、SIMなしでの利用は無理です。Google翻訳もモバイルネットワークなで使うのもほぼ無理です。
ガイド付きのプライベートツアーであればSIMなしでもOKですが、個人旅だとかなりキツイ。SIMカードはイラン旅行を何倍も快適なものにできる魔法のアイテムです。
SIMカードは空港で買いましょう
最も簡単かつスムーズに買えるのは到着時の空港です。
テヘラン(イマーム・ホメイニー空港)の場合

空港1FにSIMカードショップがあり、そちらで購入可能です。ここで買うと設定まで行ってくれ、設定完了後5〜10分ほどでネットが使用できるようになります。使用可能の確認が取れてから空港を出ましょう。
その他(シーラーズなど)の空港の場合
地方都市の空港はSIMカードの販売がないことが多いので、その際は一旦街にでて街中のショップで購入しましょう。ショップの場所はホテルのスタッフに尋ねるのが最もスムーズです。
おすすめのSIMカード

イランにも通信業者は複数あるのですが、最もおすすめなのが黄色いロゴのIrancell(イランセル)。
次点は青いロゴのHamrah e Aval(ハムラーへ・アッヴァール)。
この2つはイランのモバイル通信のトップ2で、街中にも多くショップもあるため手に入りやすいです。
SIMカード購入時のポイント
1)その場でギガをチャージしてもらうこと。
イランのSIMは購入時は5GBほどのプランで売られてる場合が多いです。後ほど専用アプリでチャージができるのですが、支払い時にはオンライン決済ができるデビットカードが必要になります。
その為、イランのトラベラー用のデビットカードを利用する方はOKですが、カードを所持していない人は購入時点で20GBなど多めのギガをあらかじめ店員さんにチャージしてもらっておくと後々便利です。
なお、イランはネット料金が安く、SIMカード+20GBでも2000〜3000円ほど。ホテルのWi-Fiは遅い場合が多いので、ギガはケチらずに課金した方がかなり快適に過ごせます。

2)その場で必ず設定&開通確認
SIMカードを購入すると、スタッフがセッティングまでしてくれます。そして「あと5〜10分でネット繋がるようになるよ」と言われると思うので、ネット利用可になるまでその場で待機し、接続がOKになったことを確認して退店しましょう。
イラン訪問歴がある人は注意!
過去に作ったSIMカードを持っていくこと
以前にSIMカードを作成したことがある方は、新たにSIMカードを作成できない場合があります。その際は、以前に作ったSIMカードもしくは電話番号を提示し「この番号で新たにSIMカードを作って」と伝えると、そのように対応してもらえます。
外国人登録「FIDA」が必要になる場合がある

2025年頃からイラン在住外国人がSIMカードや口座開設する際は「FIDA」という外国人IDの登録が必要となりました。在住者でなくともSIM作成履歴がある人は、これに登録しないと新たにSIMが作れないケースもあります。
FIDAの申請は街中のネットカフェ(کافی نت)で行うことが可能ですが、申請認可には1〜2週間ほどの時間が必要となり、すぐにSIMが作れません。
私はイラン在住歴がありませんが、しばしばイランに訪問しているためか、2025年5月の渡航ではFIDAの登録が必要でした。これまでにイラン訪問回数が多い人は注意が必要です。
外国で購入したスマホは30日しか使えない
イランの関税対策として「外国で購入したスマホは30日しか使えない」というルールがあります。
例えば、日本で購入したiPhoneにイランのSIMカードを差して使用していても、初回使用日から31日目には使用不可となります。イラン歴の翌年になれば、カウントはリセットされますので、同じ個体でも再度30日間の使用が可能になります。
それを避けるには、イランの空港の関税カウンターでスマホの機体登録が必要です。ただ、空港の窓口では英語はほとんど通じないのでかなり大変です。

年に複数回イランに行く人は、イラン国内で安いAndroidを購入し、それにSIMを差しテザリングで日本のスマホを使う、というやり方もおすすめです。

快適なネットライフにはVPNは必須
イランは政府のネット規制により、見れないサイトが非常に多いです。メジャーなところだとX、facebook、Youtube LINEは使用不可です。また、日本のブログなども見れないことが多いため旅行情報が見れないなど、イランのネット規制は最強に不便です。
そんな時に使用したいのが、VPN。接続元のサーバーを外国経由にする事で規制を回避するアレです。イラン人もほぼみんな使用しています。
VPNは無料でもありますが、イランだと接続がかなり不安定でストレス溜まりまくるので有料のものがおすすめです。イラン到着前に契約しておきましょう。
個人的なおすすめはSurfshark。1ヶ月契約で2000円程ですが、複数同時接続可で同行者のスマホやPCなども1アカウントでカバーできるのがアツいです。VPN代はイラン旅行における必要経費と割り切った方が滞在を満喫できます。

ただ、政府によるVPN規制によって、本日使えたVPNが明日は使えなくなるリスクも存在します。近年ではイランでVPN設定サービスの販売を扱っているSIMカードショップも増えてきたので、そのような際はそのようなサービス利用も一つの手段です。
なぜか使えない場合もある
イラン滞在中は「なぜか出来ない」ことが多々あるのですが、SIMカードもそのうちの一つ。私も「持ち込んだiPhoneでSIMを使用していたら、数日後いきなり使えなくなった」というケースがこれまでに数回発生しました。
SIMの抜き差しで一時的には改善しましたが、また数時間後には使えなくなる…という症状が出た時もありました。
私の経験上、iPhoneではなりやすく、Androidにはなりにくいです。
原因は「外国から持ち込んだ個体だから」など諸説あるのですが、ショップに行っても解決出来ないことが多いので、その症状が出てもSIMを使用したい方は、近くの携帯ショップで安い機種を購入してテザリング機として使用するのが最も早い解決策となります。
まとめ
- SIMカードは絶対に作るべし
- テヘラン着の場合は空港で作る
- テヘラン以外の空港では、街中のショップにて作る
- SIM購入時にまとめてギガをチャージしてもらう
- VPNは有料のものがおすすめ
イランはネット環境的にも特殊な事情がありますが、SIMカードさえ入国後に変えれば、非常に快適に旅行を楽しむことが可能です。到着後すぐにSIMを作ることで、限られた旅行の時間を有効的に活用しましょう!


