イラン入国は「ビザ条件の確認」+「到着時の動線を把握」+「最低限の持ち物」を押さえればスムーズ。この記事では、出発前に必要な手続き、空港到着後の入国審査の流れ、注意点を初めての方でも迷わない順番でまとめます。
まず、ビザは必要?
二週間以内の旅行ならノービザでOK!
嬉しいことに2024年2月から、日本人はノービザでイランへ行けるようになりました!
条件は以下の通り。
- 観光目的
- 6か月ごとに1回(年2回)
- 15日間滞在可能
- ビザ延長は不可
通常の旅行であればノービザで行けるのはかなりアツいですね…!
その他、ビザ関連の情報はこちらの記事も参照ください。

イラン入国に必要なもの一覧
日本人旅行者のイランの入国審査はそれほど厳しくはないので、基本的にパスポートさえあれば入国できます。ただ、念の為下記も揃えておくと、よりスムーズかつ安心な入国が可能なので、不安な方は事前に準備をしておきましょう!
- 旅程メモ(滞在都市・日数・目的が一言で説明できる)
- 海外旅行保険の証券(英語表記)
- 出国の航空券情報(求められることがある)
- 滞在先情報(ホテル名・住所・電話番号)
出発前チェックリスト
書類
- パスポート
- パスポートのコピー
- 航空券(eチケット控え)
- 滞在先の住所・電話番号(英語表記でOK)
- 旅程メモ
イランではチェックイン時にパスポートの原本を預けないといけないホテルが多いので、常に携帯する用にパスポートのコピーは必ず持っていきましょう!
お金
- USドルorユーロでの現金
イランではクレジットカードも国際キャッシングも使用不可。日本円の両替も難しいので、イランで使用するお金は全てドルないしユーロの現金が必要。1ドル札や5ドル札などの小額紙幣もあれば非常に便利です。
通信
- SIMフリーのスマホ
- VPN
イランでの通信は「イランの現地SIM」のほぼ一択です。SIMは空港や市内で簡単に購入可能。また、イランは政府のネット規制により、SNSはじめ見れないサイトが非常に多いので、快適なネットライフを送るためにはVPNは必須です。
VPNは無料でもありますが、イランだと接続がかなり不安定でストレス溜まりまくるので有料のものがおすすめです。
個人的なおすすめはSurfshark。1ヶ月契約で2000円程ですが、複数同時接続可で同行者のスマホやPCなども1アカウントでカバーできるのがアツいです。VPN代はイラン旅行における必要経費と割り切った方が滞在を満喫できます。
【到着後】空港での流れ
0)機内にて
イランは法律で女性はスカーフで髪の毛を隠さないといけません。大判のスカーフを機内に持ち込み、到着時に身につけてください。
ぴっちりと髪の毛を隠さないといけない、というわけでありませんので付け方はラフな感じで大丈夫です。周囲の人を見て、それっぽく着用していればOKです。
1)到着 → 入国審査(イミグレ)
聞かれやすいのはこのあたり。
- 滞在目的(Tourism)
- 滞在日数(例:10 days)
- 滞在都市(テヘラン、シーラーズなど)
- 滞在先(ホテル名)
- 帰りの便(帰国日)
基本的にニコニコと愛想よく答えていれば問題ありません。ジャパニーズスマイルはイランではかなり強い武器です。本当に。
また、イランでは基本的にパスポートにスタンプは押されません。紙のビザにスタンプを押す場合と押さない場合があります。
2)荷物受け取り→セキュリティチェック→税関
イランはテロ対策などでセキュリティが厳しいです。荷物のセキュリティチェックは機械に通してスキャンします。
注意すべきは宗教的なルール。アルコール飲料(酒類)、豚肉製品、ポルノ関連、賭博関連の持ち込みは禁止されています。たまに「水筒にお酒を入れて持ち込んだ」という話も聞きますが、バレた際のリスクが高すぎるので絶対に止めましょう。
なお、消毒用のアルコールなどは常識の範囲内の量であれば持ち込みOKです。
3)到着後すぐの優先順位(おすすめ)
1.現金の確保(最低限)
テヘランのイマームホメイニー空港では2Fに両替カウンターがあるので、まずはここで両替を。

ただし、イランでは「今、現金がないので両替は無理」と空港の両替屋でも両替不可の時が多々あります。なので両替が出来なかったとしても焦らなくてもOK。空港内でもウロウロしている闇両替屋が寄ってきますが、そこは無視して空港での両替はあきらめましょう。
空港で両替ができなくとも、ドルないしユーロを使ってタクシーで街中へ行き、ホテルの人に両替屋さんを教えてもらい、そこで両替をするのがおすすめ。
なので、これを想定して外貨は1ドル札や5ドル札など、少額紙幣を多めに持っていくと便利です。
2.SIMカードの購入
まずは空港でSIMカードを買いましょう。テヘランのイマームホメイニー空港では1Fにカウンターがあります。

通信会社はIrancell(ایرانسل)がおすすめ。プランは時期によって変わるのですが、大体2000円ほどで10GBのSIMカードが買えます。チャージはイラン国内のデビットカードがないとややこしいので、ホテルのスタッフなどにお願いしてチャージしてもらうのがおすすめです。
なお、空港で両替ができなかった場合は、USドルでも購入可能ですのでご安心を。
また、テヘラン以外の空港(シーラーズなど)ではSIM販売がない場合が多いので、その時は街中で購入しましょう。
ちなみに悲しいことにイランの空港はフリーWi-Fiは飛んでません。
3.市内への移動(タクシー)
空港から市内への移動は地下鉄でもできますが、タクシーでホテルまで直送してもらうのが手っ取り早いです。
テヘランの空港はエアポートタクシーのカウンターがありますので、そこでホテル名を伝えるとOK。

テヘランは空港→市内は1.5時間ほどかかりますが、2000円ほど。こちらもイランリヤルがない場合は、ドル支払いも可能です。
3.市内への移動(タクシー)
ホテルに到着し、ひと休憩したら現金を調達しましょう。
両替に関してはこちらの記事で解説してますので、是非ご覧ください。

よくあるQ&Aで到着時の不安を解消!
Q. 日本人は本当にビザなしで入れますか?
A. ご安心を!ノービザ対象の滞在であれば問題無しです。
ただ、イランはセキュリティ対策などで入国条件がサイレントに変更されてる時があるので、渡航前は必ずイラン大使館のウェブサイトをチェックしましょう。
特に陸路・海路入国の場合は事前に在東京イラン大使館に確認されるのがおすすめです。
Q. 15日を超えたい場合は?
A. ノービザ入国の場合、イラン国内での延長ができないので、事前に観光ビザを取得する必要があります。
ただ、2025年8月に制度が変わり、15日以上の長期滞在ビザ取得がかなり難しくなりました。以前は普通にオンライン申請すると通ったのですが、このころから申請に旅行代理店による旅行計画書などの提出を求められるようになりました。
認可率もそれほど高くないようですので、現時点ではノービザで行ける範囲での渡航が無難かつ現実的かな、といった感じです。
Q. 入国で英語が苦手です…
日本人の場合、入国審査は非常に簡単なケースが多いです。ほとんど英語が話せない方も問題なく入国できてますので、それほど心配する必要がありません。
どちらかというと「笑顔で愛想よく振る舞うこと」が大切なので、緊張してもそれは忘れないようにしてください。
Q. イスラエルやアメリカの入国歴があっても大丈夫?
2025年現在、イスラエルとアメリカはほぼノースタンプで入国歴がパスポート上では目視認識できない為、問題になることは極めて稀です。私も両国ともに入国歴があり、パスポートにはアメリカビザが大きく貼られていますが、そのことをイランの入国審査で問われたことは一度もありません。
ただ「アメリカ在住のイラン人がイランに帰省した際、ラップトップを没収された」というような話も聞いたことがありますので、両国と深い繋がりがある人は注意が必要です。
Q. 到着後、何からやればいい?
とりあえず、 「現金 → SIM → 移動」。
両替ができなかった場合でも、焦らずにドルでSIMを購入し、タクシーでホテルにいきましょう。ホテルのスタッフは旅行中の強い味方になってくれるはずです。
まとめ
- イランは14日までの滞在ならノービザでOK
- 入国審査も想像以上にスムーズ
- 酒や豚肉製品などは絶対に持ち込まない
- 空港ではまず「現金 → SIM → 移動」
最もつまずきやすい点は「両替」だと思います。例え両替ができなくとも、イランではよくあることですので、焦らずにホテルまでタクシーで向かいましょう。
国民性を見ても、日本は「問題が起こらないように注意深く計画を立てて行う」のではなく、イランの場合は「問題が起こってから焦らずに解決していく」スタイルです。
イランでは「両替ができない」などの想定外の事案が起こったとしても、それは「よくあること」ですので、焦らずに解決方法を探っていくことでクリアできます。その点を意識すると、イラン旅行もグッと楽にお楽しみ頂けると思います!


