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杉森健一
イランの良さを伝える杉森
25歳の時に出た世界の旅の途中にてイランを訪れ、ハマる。その後はイラン渡航を繰り返し、現在は雑貨店運営・旅行業・フェス事業・執筆業など幅広くイラン関係の事業に携わりつつ、SNSやマスメディアなどでイラン情報を発信中。
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BALUCHISTAN

PERSIAN TAGのコレクションBALUCHISTANは、イランの現地NGOとPERSIAN TAGが共同で立ち上げたコラボライン。イラン南東部のシスターン・バルチスターンの伝統刺繍をコンセプトにしたシリーズです。

シスターン・バルチスターンでの雇用を創出する

BALUCHISTANシリーズが生まれたきっかけ。それは「シスターン・バルチスターンでの雇用を創出したい」という想い。

シスターン・バルチスターンは、イランでも有数の素敵なカルチャーを持つ地域なのにも関わらず、開発の遅れや環境・風土・伝統的な風習など様々な要因で、他の地域と比較して経済的な発展が遅れている地域です。

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そこで、PERSIAN TAGではイランの現地NGOで、サポートを必要とする女性や子どもを他分野で支援するPDA(Pars Development Activists)と協力し、

・夫の死や離婚などで世帯主となった女性たち
・避けられない事情でアフガニスタンからやってきた女性たち

このような女性の方々に向けた雇用創出を目的に、BALUCHISTANシリーズを立ち上げました。

PDAの工場に勤務する女性たち / 筆者撮影

シスターン・バルチスターンとは?
シスターン・バルチスターン州は、イラン最南東部に位置し、パキスタンやアフガニスタンに隣接する州。この州に住む多くの人はバルーチ人。イランの他地域とは異なりイスラーム教スンニ派教徒が大多数を占め、地域独特の民族的・宗教的な伝統も色強く見られる地域。

世代を超えて受け継がれる「バルーチ刺繍」

シスターン・バルチスターンでは、伝統的な慣習の元、女性は働きに出ず、家事などに専念することも多い地域。その為、他地域と比較して仕事のスキルを学んでいない女性も少なくはいのが現実。

(仕事のスキルからは少しズレますが)例えば識字率を見ても、この地域は非識字者率が高いの見受けれます。(地図右下)

その為、一家の稼ぎ頭である夫を亡くしたり、離婚をして「女性世帯主」をなった女性たちは、生きるための仕事を探すのも簡単ではありません。

しかし、そのような女性の方々も、素晴らしいスキルを持っています。その一つが、その土地で長く愛されてきた伝統的な「バルーチ刺繍」彼女たちが、母親から受け継いだその技術やアートは非常に美しく、誇り高いもの。

店に並ぶバルーチの民族衣装用の美しい刺繍の数々 / 筆者撮影

BALUCHISTANシリーズでは、現地NGOのPDAを通じて、バルーチの女性たちが世代を超えて受け継ぎ、作り続ける伝統的なバルーチ刺繍を、ここ日本でも毎日使えるプロダクトに落とし込み、その手で作られたハンドメイドアイテムを展開しています。

BALUCHISTANコレクションのクッションカバー

イランとアフガニスタン難民

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また、BALUCHISTANシリーズはアフガニスタンから避けられない理由でイランへ渡ってきた移民・難民の方々にも生産をして頂いています。

世界の難民を支援する団体・UNHCRが把握しているアフガニスタン難民の総数は世界で2,712,900人。アフガニスタンはシリア、ベネズエラに続き世界で最も多い難民出身国の一つです。

イランは隣国であるアフガニスタンの難民を多く受け入れいている国で、その数は約78万人。加えて、ノンドキュメントの移民なども合算すると、イランで暮らすアフガニスタン出身者は300万人以上UNHCR)と言われています。イランの人口は約8,500万人なので、単純計算でイランに住む方々のおよそ30人に一人はアフガニスタン出身者です。

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イランの学校に通うアフガン難民の子どもたち

そして、シスターン・バルチスターンはアフガンとの国境もあり、かつアフガンに住むバルーチ人にとっては文化風土も似ていることから、アフガニスタン難民が多い地域のひとつ。

BALUCHISTANシリーズでは、現地NGOのPDAを通じ、そのような方々にもプロダクトの生産をお願いしています。


バルーチの女性たちが世代を超えて受け継ぎ、作り続ける伝統的なバルーチ刺繍を、ここ日本でも毎日使えるプロダクトに落とし込み、その手で作られたハンドメイドアイテムを展開してます。

是非、毎日の生活の中でその美しさを感じてみてください。